東京脱出を諦めかけた「働く」のこと

こんばんは。日南へ移住して5日目となりました。
引っ越し(入居)の次の日から新しい仕事だったので、この週末を使ってやっと段ボールを片付けたところです。
そんな近況もゆくゆくはまとめたいのですが、引き続き経緯を振り返るシリーズで今回は「働く」について。

前回の記事で書いたように、「仕事」一択だったこれまでから「家族」や「暮らし」も考える生き方にシフトしようと決心したものの、やはりそれが揺らぐほど仕事選びが難しかった。

実のところ、地方でも面白い仕事をしている人をたくさん知っていたので、ある程度のスキルやキャリアがあれば、地方でもやりがいのある仕事を見つけることができる、と思って転職活動を始めました。
それ自体は間違っていなかったのですが、ある程度のスキルやキャリアがあれば、東京ではもっとやりがいがあったり、チャレンジングな仕事ができる、という当たり前のことが抜け落ちていたのです。

とてもありがたいことに、熊本でも東京でもお仕事のご縁をいただいたのですが、どう考えても東京の仕事の方が魅力的で、東京脱出を諦めるかどうか、すごく悩みました。
特に私の場合、「家族」や「暮らし」のことを考え始めたと言っても、親の介護が必要なわけでも、結婚&子育てをしているわけでもないので、結局は「働く」に求めるものの比重を小さくできませんでした。

東京でもう少しチャレンジして、さらにスキルアップしてから九州に帰っても良いのでは?とアドバイスをいただいたこともありました。
一方で、年齢的にも、ライフステージの変化の可能性的にも、いつでも九州に帰れるというわけではないよ、という指摘をいただいたこともありました。
東京ではもう生活したくない、だけど仕事の面白さ(私にとっては、社会変革につながる事業で、チャレンジング&クリエイティブな業務内容であること)も捨てられない、だからといって何の目途もないのに起業や独立もしたくない、という超ワガママ状態。

そんなとき、紹介してもらったのが宮崎県日南市でした。

実は紹介されるまで、日南市の取り組みについては全く知りませんでした。
しかし、偶然にも今年のGWに「たまには太平洋の海を見に行こう」と言い出した母と旅行で訪れていたのです。
そんなところに縁も感じ、市の取り組み自体も非常に興味深く、幸い仕事の縁もいただくことができて、移住することに決めました。

良い例えなのか分からないのですが、今回の転職活動を通じて、東京で面白い仕事をするというのは、魚料理を作るときに切り身を買ってきて料理するみたいなものなのかも、と思いました。
魚を釣るとか、うろこを取るとか、捌くとか、面倒な作業は全て終わっていて、味付けというクリエイティブな部分だけを担当できる状態。
ビジネスで言うところの「切り身」から料理するというのは、すでに色んな観点や価値観で事業を起こしている人たちがいて、自分で一から立ち上げなくてもそこに加わって仕事ができる状態、みたいなイメージです。

一方で、地方で面白い仕事をしようとすると、魚を釣るところから始めなければならないかもしれません。
しかし、その魚の切り身が東京でも売っていないようなマイナーな魚で、その地域でしか獲ることができないのだとしたら、やはり東京を離れてその地域へ行って、釣るところからやらなければならないのです。
地方で事業を起こしている人というのは、そんな感じなのかな、と。

私の場合、自分で事業をゼロから立ち上げたい!という志向がない(むしろ起業とか最後の手段だと思っている)ので、そこまでのものはなくて、あくまで乗っかっているだけですが、これはこれで一つの実験だと思っています。
というのも、移住で取り上げられて「地方でも面白い仕事できるよ!」と言っている人は飲食店等を含む起業だったり、東京の仕事も請けるフリーランスだったりして、それができる(したい)人は移住を考える人のごく一部だろうな、と思うからです。
もちろん、それはそれで大事ですが、それだけだと地方での仕事の幅は広がりません。
東京に機能が集中しているクリエイティブな仕事を、起業も独立もなしで地方で行うことができるのか、ということについて、実際に働きながら考えていきたいと思います。

ちなみに、この紆余曲折の中で、夢職人の代表の岩切さんや、ETIC.の事務局長の敦子さん、G-netの元代表の秋元さん、NEWVERYの元代表の山本さんという(若干の偏りは置いておいても)素晴らしい人生の先輩方にアドバイスをいただき、そして日南ではマーケティング専門官の田鹿さんにお世話になってここに落ち着くことができました。
本当にありがたいことですし、アドバイスして良かった、時間を使って良かったと思ってもらえるように頑張りたいと思います。

今日、見に行った海。家から車で3分くらい。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください