苦手意識を引きずる運動神経と適応能力

こんばんは。
東京はやっと梅雨明け?でしょうか?
出張が多すぎて、日々の天気予報も見なくなってしまいました・・・

中退問題に取り組んでいると、「偏差値の高い大学の学生たち(=学力の高い学生たち)は中退者が少ないのは何でなんだろうね?」というようなことを言われることがたまにあります。
結局、学力の高くない、うちの学生たちの中退率を下げるのは難しいのでは?というニュアンスも含めて。
ただ、学力が高い=中退しない、というのは、ちょっと直結しないように見えます。

私が思うのは、「適応能力」の差です。
適応能力が高いから、日本の初等・中等教育に馴染み、学力を上げることができる。
適応能力が高いから、大学生活に不満や不安があっても、対処して卒業までいける。
適応能力と学力の相関、適応能力と中退率の相関はあるように思います。
(客観的に測ったわけではありませんが)

逆を言えば、適応能力が高くない学生でも、その学生にあった教育手法や環境を提供すれば、学力も意欲も伸ばすことができる、ということです。
そういう視点で、中退予防には取り組んでいます。

と、ここまでは以前から考えていたことなのですが、「じゃあ、適応能力の差ってどうやって生まれるんだろう?」とふと思い至りました。
適応能力はどうやったら高まるんだろう、と。

これは完全な思いつきなのですが、何となく、年齢や経験によって高まっていくもののように思います。
そのスピードが人それぞれなだけです。
そう考えると、運動神経と似ているかも、と思いました。

2,3月の早生まれの子どもは、運動に苦手意識を持ちやすい、という話は聞いたこともある方も多いと思います。
私も3月生まれなので、まさしくその通りで、体育の授業を何よりも嫌い、休み時間のドッジボールを嫌い、運動会の雨天中止を毎年のように祈っておりました。
この話を聞いたことのない方のために補足しておくと、特に保育園や幼稚園、小学校低学年などの幼少期には、4月生まれと3月生まれという1年近くの差は、運動能力においても大きな差となり、学年で区切られると相対的に後ろの方になるがために、自分は運動が苦手である、という認識を持ちやすい、という話です。
逆にスポーツ選手は4月生まれが多いとか。
自分は運動が得意である、という意識で幼少期を過ごすので、そのまま伸びていく、みたいな感じです。

適応能力をどう定義するのか難しいのですが、様々な環境に自分を当てはめていく力だとすると、これもまた幼少期には生まれた月による一定の差がありそうな気がします。
かく言う私は超絶な人見知りで、教室の隅っこで一人本を読み、修学旅行や遠足などで好きな人とグループを組んで、という指示が本当に苦痛なぼっち人間でしたので、適応能力は低かったものと思われます。

私はたまたま、本を読むことが好きだったり、大人に囲まれて色々な話を聞くという機会が多かったりしたために、学校の授業を理解するということには長けていたため、適応能力は低くても勉強は得意な方でした。
これは一重に、コミュニケーションが苦手でも話を聞いていれば良い授業スタイルだったために適応できたことで、最近流行りのグループワーク型の授業であれば、適応できなかったかもしれません。

思い返すと、グループで調べ学習をしてまとめるとか、調理実習で作るものをグループで決めるとかのときにはよくもめていました。
調べたり、考えたりするのは好きなのですが、それを人に押し付けてしまう傾向にあったのです。

私が適応能力を人並みに身に着けたのは、おそらく大学に入ってからです。
幸い、適応能力はなくても好奇心と行動力はありましたので、様々な活動に参加する中で、たくさんの人とぶつかりながら、何とか環境に馴染む力を身に着けました。(これもおそらく、ですが)

ちなみに、自分の運動能力が人並みだと気付いたのは、中学生になったときです。
卓球部だったのですが、近くに卓球部のある小学校はなく、全員初心者でスタートする中で、中の上くらいには上達したので、そこで苦手意識はかなり払拭されました。
(スタミナはないので、運動は今でも得意ではありません。。。)

と、何だか取り留めのない話になってきましたが、適応能力が低くても、自分がどんな環境だったら適応できるのかを考えて、選ぶことができれば、成長したり、活躍することは可能です。
学生の中には、どうせ勉強できないからとか、どうせ頭が悪いから、と言う学生もいるのですが、実は適応能力の差で既存の学力の身に着け方や尺度にはまらなかっただけ、ということも多いのでは、と思います。
こうやって、適応能力と他の力を切り分けて考えるのも面白いな、と思ったのでした。


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