大きなビジコンより小さな行動

何があったわけでもないのですが、最近改めてビジネスプランコンテストって私は苦手なんだな、と感じています。
教育の分野でもちらほら見かけてはいましたが、地方創生の分野でもやたらと重宝されている気がして、もやもやが募る一方です。

もちろん、大きなプログラムの一環としてビジコンがあり、プログラム全体として効果を発揮していると思われるものもあります。
創業支援において、プランのブラッシュアップから継続的に支援し、最後に投資を募るための発表をし、実際に資金を得て起業する、みたいなときにはコンテストという発表の場があっても良いのかな、と思ったり。
あとは教育の分野で、マーケティングとか財務とかビジネス全般について学んだ上で、その学んだことを統合するためにプラン作成というアウトプットにまとめるのも、教育効果を高めることになるのかな、と思ったり。(もちろん、先にプラン作成をして後からインプットも然り)

一方で、プレゼンしただけ、賞金も本当に起業するには全然足りない、ビジコン単体のイベントが多いのが実態ではないでしょうか。(教育分野なら、カリキュラムと連動していないなど)

トキワ荘プロジェクトで漫画家志望者支援の仕事をしていたとき、地方活性化のために自治体が漫画賞を主催する、というのをよく見かけました。
しかし、受賞作を見てみると、なかなか厳しいものばかり。

どうして自治体主催の漫画賞が厳しいかと言うと、単純に受賞してもプロになれないからです。

マンガ編集部が主催する漫画賞は、一番良い賞を受賞すればそのマンガ雑誌に掲載され、プロデビューとなります。
掲載されなくても、編集者さんの目に留まり、担当付きとなれば、プロへの道が少し見えてきます。

しかし、自治体主催のものは、特定の編集部やマンガ雑誌とつながっているわけではないので、受賞したところで商業誌には載りませんし、あと一歩だからといって編集者がつくこともありません。
受賞作はWEBサイトなどで公開されてしまうことも多く、そうなるとその作品を他の漫画賞に応募することもできなくなります。(未発表作品が条件の漫画賞が少なくないため)
最近では、WEBサイトに載った受賞作を見て編集さんが声をかけてくれたり、特定の編集部とつながった地方の漫画賞も出てきたりと変化しているので、一概に意味がないとは言えませんが、要はどれだけ次につながる可能性があるかが大事、ということです。

最近は中高生に地域課題の解決策を考えさせる課題解決型学習(PBL)も流行っています。
地域を理解する、課題解決型の思考法を学ぶ、という点では良いと思うのですが、机上の空論で終わってしまうともったいない気がします。
先日、そういった学習に取り組む中学生に話をする機会をいただいたので、「立派な計画より、小さくてもできることを」を最後のメッセージにしました。

ビジコンは大学生の頃から苦手だったので、その苦手意識を引きずっているだけかもしれません。
ただ、その瞬間の盛り上がりと、その後の実態のなさのギャップにどうしても受け入れがたいものを感じてしまうのです。
起業を考えるにしても、中高生にしても、小さくていいから何かとりあえずプロジェクトを始めてみたらいいのでは、と思うのでした。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください