志望理由書にもやもや。

こんばんは。
今週一週間はお盆休みということで、今日はお休み最終日。
今週は実家に帰ったり、ひたすら読書をしたりとのんびり(だらだら?)過ごしていました。

そんな帰省中、今年は下の弟が大学受験なので、志望理由書を書くのをフォローしてやってほしい、との母からの指令で手伝うことに。
仕事上は遠からずですが、改めて弟に書かせようと思うと色々と難しいな、と感じました。

まず難しいと思ったのが、なぜその大学・学部なのか、というのを考えること。
実は上の弟が、今回志望理由書を書く大学・学部を卒業しているので、何が特徴?と聞いたのですが、あっさり「何もないね」とのこと。
WEBサイトを見ると、教養教育とか、卒業生の活躍とか定番のことが書いてあるので、とりあえずそのことを書かせてみたのですが、私としては他大学も同じことを書いていると知っているので違和感がありますし、上の弟は弟で卒業していても実感がないので、取って付けたような文章になってしまいます。

ちなみに自分の受験のときに、志望理由書の書き方の本を読んだのですが、そこには“その学部の教員を調べ、著書を読んで、その先生のゼミで学びたいと書け”というようなことが書いてありました。
実際に当時その学部の先生や研究テーマを調べたのですが、自分が学びたい分野の先生が本を出していなかったのか、あまりにあざといと思ったのか、結局具体的な先生の名前までは出さなかったように記憶していますが、今思うとそれも何だかなぁ、という気がします。

さらにもう一つ難しかったのが、1000字という字数。
1000字を埋めようとすると、何で学びたいと思ったのか、という自分自身の経験と、学んでどうしたいのか、という考えを社会の動きを踏まえつつそれなりの分量で書かないといけないわけですが、残念ながら弟と話をしていても埋まるほどの深い話はなかなか出て来ず。。。
一方でネット上で色々検索してみると、これって本当に高校生が書いているのかな?と思うくらい、深いことが書いてあったりして、実際に周りの大人の影響も大きいんだろうな、と思いました。

そして何よりも難しいのが、これらを「弟本人に書かせる」ということです。
正直に言えば大人が代わりに書いてしまい、面接の数十分ほどを対応できるように面接の練習をすることは可能です。
そうしている人もいるでしょうし、そうなると合格者に求められるラインもおそらく上がります。
もちろん、私はこういったことの指導者ではないので、そもそもの難しさもあると思いますが、本人に思考させつつ、大人が介入している子に対抗させることも考えるとどのレベルまで持っていかなければならないのか、とても悩みました。

話は逸れるようですが、企業の採用の仕事をしているとき、ある大手企業さんの採用プロセスの設計に携わったことがあるのですが、テーマは「どうやって嘘を見抜くか」でした。
エントリーシートの書き方も、面接の答え方も、様々なテクニックが広がっています。
「自分で考えて動けます!」とアピールして内定をもらい、いざ仕事を任せてみると全く動けない、という人が増えている(=見極めにくくなっている)という相談だったのです。

前述の大学の受験にしても、採用の選考にしても、受験者の力や選考の設計など色々と考えるべきことはありますが、「嘘をついたり、ずるをしたりしても合格さえすれば全てOK」の風潮がある限り、根本的には解決しないように思います。
実際には、入ってから困るのは本人です。
困ると分かっていてもやってしまうのは、結局は大学名や会社名などのブランドが重視されているから(私はそうとは言えないと思っていますが)なのでしょう。
そんな理想論と、目の前の弟の実際問題とでもやもやした帰省でした。


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