自己肯定感に物事の出来不出来は関係ない

先日のセミナーで、「何かに取り組んでも上手くいかない子どもの場合、どうすれば自己肯定感を上げてあげられるか」というような質問をいただきました。その場でも可能な範囲でお答えしたのですが、改めてじっくり考えてみた結果、そもそも自己肯定感に物事の出来不出来は関係ないのでは、と思いました。

足が速いとか、勉強ができるとか、何か得意なことがあると、確かに子どもたちは自信を持ちます。しかし、それは「できる」ことによって褒められたり、認められたりするから自信につながるだけで、認められれば何でもいいのではないか、と思うのです。

セミナーの場では、誰かを手伝ったり、助けたりして「ありがとう」と言われる経験こそが自己肯定感につながるのでは、という提案をさせていただきました。誰かを手伝うことに、できるできないは関係ありません。例えば掃除を手伝ってくれたとして、あまり上手にできなかったとしても、手伝おうとしてくれたこと自体に感謝できるからです。

明確に意識していたわけではありませんが、キャンプなどで小中学生と関わるときに「教えて」とか「どうしたらいい?」という言葉をよく使いました。「いま学校でどんなことが流行っているの?教えて」とか「(調理中に)野菜を切り終わったけど、次はどうしたらいい?」といった感じです。子どもたちは意気揚々と答えてくれます。(2つめは、答えられるような事前の手順はありますが)

誰かの役に立って、「ありがとう」と言われる。それによって認めてもらえた気がして、居場所があると感じられる。だとしたら、成績が良いとか、運動ができるとかいうのは、本質的には関係ないのかな、と思ったのでした。