大事なのは「斬新なアイディア」や「先進的な事例」ではない

新卒採用、人材育成、キャリア教育、高大接続、大学中退予防、地方創生…
これまで、これらのテーマでいわゆる「課題解決」のお手伝いをしてきましたが、お客さんによく言われるのが「良いアイディアはありませんか?」「何か良い事例を知りませんか?」という言葉です。
きっと、同様の立場にある方は同じことを言われているはず。

でも、足りないのは本当に「斬新なアイディア」や「先進的な事例の情報」なのでしょうか?
正直なところ、上手くいっていないことの大半は「当たり前にやるべきことが、できていない」ということに尽きると思っています。

ダイエットだったら、適度な運動、栄養バランスの取れた食事、規則正しい生活習慣、みたいな感じですね。

しかし、その結果こちらが提案することが当たり前のことだとガッカリされるケースも多いです。
だからこそ、コンサルタントと呼ばれる人たちは、表面的でキャッチーなものを提案するのかもしれません。

一見「斬新なアイディア」や「先進的な事例」に見える成功事例も、本質的には「当たり前のことを当たり前にやる」ための仕組みや工夫をした、というものが多いと思っています。
逆に「斬新なアイディア」や「先進的な事例」に引っ張られた結果、現状の課題とマッチせず失敗する例は後を絶ちません。

では「先進的な事例」を知ることに意味がないかというと、そういうことはないと思っています。
ただ、見るポイントとして、「何をしているか」ではなく、「どうしてそれをすることになったのか」「どうやって導入したのか」「やっていること一つひとつの裏の意図は何なのか」ということが大事です。
斬新に見えた施策でも、一般化していくとそうでもなく、方法を変えれば取り入れられる部分がすぐ見つかったりします。

私自身、「斬新なアイディア」や「先進的な事例」を求められるとそれに応えたくなったり、逆に学生のプロジェクトにそれを求めようとしたくなったりすることもあります。
それが必要なときもありますが、常にゴール・課題・解決策の整合性にしっかり目を向けたいなと思ったのでした。